« プレジデント | メイン | 送別会 »

2012年3月 1日 (木)

「創造の財布」

 今でこそマニフェストと言って知らない人はいないが、私がはじめての町長選挙(9年前)でマニフェストを出したときにはこの言葉を知っている人はいなかった。私自身もロンドン大学の森嶋教授の著書のなかで知っているだけで目にした事はなかった。しかし、ある国会議員の方から勧められマニフェスト選挙をやってみた。考えてみればこれが非常に良かった。はじめは見向きもしてくれなかった人がマニフェストを読んでから、熱心に支持してくれるようになった。また、他の陣営もマニフェストを出さざるを得なくなったが、その事も違いが鮮明になりプラスに作用した。
 そのときのマニフェストに書いた事は別に難しい事ではなかったが、そのひとつが町の経済をどうやって活性化するかという事を「2番目の財布」というキーワードで書いたものだった。つまり、日常の消費での町の活性化は難しいから、非日常の消費で活性化しようと言うもの。少子化で人口減少しかも高齢化である地域の消費は当然逓減していく、しかも、昔のように地元資本の商店にはお金は落ちない。交流人口の消費をタッゲートにしなければということだった。
 あれから8年経って、よく言われるのが「2番目の財布」の考え方が最近分かった、というコメント。しかし、時代の変遷は早く、今や「2番目の財布」も時代遅れになってきている。このデフレで非日常の財布(2番目の財布)も日常の財布なみにシビアになってきているからだ。これからは「3番目の財布」を考えていく必要がある。
 「3番目の財布」は別に新しい概念ではなくて、シュンペーターが「企業家による絶えざる革新によって需要が沸き起こって市場が創造される」と言っているように「創造の財布」である。ではその為には何が必要かといったら、クリエイティビティである。しかし、この事が理解されるのはもう少し先の事かもしれない。何しろシュンペーターはドラッカーの父親と友人なのだ。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.kazelog.jp/t/trackback/303137/28020629

「創造の財布」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿