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2008年2月16日 (土)

舵をどう取るか

 日本の社会構造が大きく変わろうとしている。特に三位一体の改革以来、強く感じる。しかし、それは改革というよりも破壊に等しい。今の日本に必要なのは改革よりも改善ではないだろうか。たとえば、郵政民営化は改革であったが、果たして結果がどう出るか。これから、経営の合理化が進めば、当然淘汰される局も出てくる。企業のである以上当然であるが、逆に言えば、そういった公的側面を郵便局が果たしてきた意義は大きい。また、そのことが金融機関等のない地域においては評価されてきた。

 また、アンケートで必ず上位に来るのが医師の問題であり、それに付随して診療科目の問題であります。新臨床研修制度が導入されたとき、研修期間の2年が経過すれば、医師は戻ってくるということで、3年目は大丈夫ですからと言われた。ところが、現実は3年経っても戻るどころか、ますますいなくなってきている。これは明らかに厚生労働省の失策だ。いままで、大学病院の医局がコントロールしていた体制を解体すべくはじめたこの制度で、結局変わったのは医療体制の、特に地方の医療体制の崩壊という最悪の体制が出来てしまったということ以外なにものでもない。また、平成20年度から始まる後期高齢者制度も意味がない。国民健康保険税が20年度から上がるといったことが新聞で散見されるが、これでは後期高齢者制度を導入した意味がない。まったく、この責任を誰が取るのか?

 書き出せばきりがないですが、改革にはそれなりの先見の明を伴った深い考えが必要であります。それなくして、制度をどんどん改革していく結果がこういった悲惨な状況を生み出していると思うのです。そもそも、小泉総理の改革はほとんど年次改革要望書というアメリカからの要求書に沿ったものを具現化しているに過ぎない。その際たるものが郵政民営化であります。しかし、日本の風土にはアメリカ的な文化はなじみにくいと思うのです(この場合の文化は広い意味での文化)。それも推し進めた結果がこういった今の日本を生み出してしまったと思うのでうす。パートナーとしてのアメリカは正しい選択だと思いますが、すべてアメリカである必要など、どこにもないのです。日本の独自性を堅持したなかで、アメリカとパートーナーシップを結ぶことが肝要だと思うのです。そうでないといつまでたっても日本は世界各国から一人前の扱いを受けないと思うのです。

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